H３１年３月２３日（土）公益財団法人舩井幸雄記念館主催の第９回講演会が無事に終了いたしました。当日は河村武明さん（通称たけさん）の日本一無口な講演会と舩井幸雄記念館館長佐野浩一の「未来へのヒント２」のコラボ講演会が舩井幸雄記念館併設のレンタルスペースイヤシロチでおこなわれました。画家として全国有名百貨店などで個展を開かれる一方、「５００校プロジェクト」として全国の小中学校を中心に講演活動を行い、先ごろ達成されました。

 

　たけさんは自身の経験から発見されたこと、学ばれたことをお話しされており、昨年１１月に５００校プロジェクトを達成され、今回で５１３回目の講演となりました。たけさんは脳梗塞になられる前までミュージシャンをされていました。しかし、脳梗塞になられたことで、右手が使えなくなってしまったのでギターをひけなくなりました。言葉を話すことができなくなってしまったので、歌を歌うことができなくなりました。今まで普通にできていたことができなくなってしまい絶望されました。しかしたけさんは視点を変えて違った角度からものごとを観てみるように努力されました。その結果たくさんの気づきと幸せをみつけられたそうです。

講演でお話しされた中で心に残ったたけさんの言葉をいくつか紹介させていただきます。

①「幸せとはなるものではなく、手に入れるものでもなく、のぞむものでもなく、気づくものです。」

 

　歌を歌うことができて、話をすることができて、音楽を聴くことができて、右手を動かすことができて、今まで当たり前にできていたことができなくなって、実はそれってすごいことだったんだなと気づかれたそうです。

 

②「見方が変わったら味方になる」

　

　もし体の部分についていやなことを言われても無理やりにでもありがとうと言おう。きっとその部分は素敵な個性になって自分の味方になってくれると信じたそうです。

すると「もう死んだほうがましだ」と思った障害も武器になり、ぼくがストリートにでたら「無口の絵売り」と人は一発で覚えてくれて、マスコミも取材してくれる。自分が短所だと考えることも気持ちひとつだけで長所になる。まさに障害は個性になって味方になったと語られていました。

 

③「洗心」

　　

　たけさんは脳梗塞を発症する前から、舩井幸雄の本を読んでくださっていたようで、中でも特に１９９４年に出版された「未来へのヒント」に影響を受けたそうです。その中の「洗心」という考え方を知っていたことから、病気を感謝して受け入れるきっかけになったと話されていました。洗心とは「強く・正しく・明るく・我を折り・つまらない欲を捨て・みんな仲良く相和して・感謝の生活をしよう・それと与えられたことを感謝して受けよう・与えられないこともやっぱり感謝して受けよう」ということだそうです。

 

自身の壮絶な経験とそこから見つけられたこと。脳梗塞になって障害を持ったからこそ見えてきた新しい景色。あたりまえのことができなくなったからこそ見つけられた幸せ。ひとつひとつのメッセージに熱い思いが込められていて心温まる講演でした。

 

　続いて舩井幸雄記念館・館長の佐野浩一は、未来へのヒントとして、これからは蘇生化が決め手であると話し、天の理に従うと蘇生化ができて、蘇生化こそ本物化のポイントであり、そのポイントとは「波動と水」であると語りました。そして、人と争ったり、相手を負かしても幸せを感じることができない。人と争わずそれぞれがそれぞれの良いところを伸ばしていくことが大切であり、何ごとにも表と裏があり、それを知りながらうまく見極めて正しくみちびいていくことの重要性を舩井幸雄の長所伸展法と結びつけて紹介していきました。

　また、たけさんのお話にもありました「視点」についてもふれていました。例えばリサイクルについて考えると、リサイクル＝良いことだと先入観で思い込んでいる人が多いけれど、実際はリサイクルをするためにかなりのエネルギーがプラスして必要になっている現状を紹介し、日本でも欧米同様に、リユースの必要性を伝えていました。同時に先入観やこだわりをもつことの危なさについても話しました。

 

　そして、たけさんと佐野浩一のトークショーの時間では、５００回講演を達成して、今後はどうしていきたいですか？との質問がお客様からあり、今後も小中学校を中心に講演活動を続けていきたいと語られました。同時に「ありがとう人間」を増やす活動を続けて行くことが夢・・・とのことでした。

 

　なにごとにもまずは「ありがとう」と感謝の気持ちをもつこと。腹がたってもまずひと呼吸おいてみること。ひとつひとつの言葉に温かさやたけさんの優しさ・強さ・大きさを感じられる講演会になりました。本当にありがとうございました。