公益財団法人 舩井幸雄記念館主催 第12回講演会 「蘇生Ⅱ 愛と微生物」講演録
9月5日(土)に開催しました舩井幸雄記念館・第12回イベント(蘇生Ⅱ 愛と微生物) のご報告です。
ゲストには、映画監督で、声優や俳優としても大変ご活躍の白鳥哲監督をお迎えして、映画「蘇生Ⅱ 愛と微生物」を上映し、監督にもお話をしていただきました。
白鳥哲監督のご講演では、これからの時代を生きていくヒントを教えていただきました。
まず、コロナウイルスに向き合っていくうえで大切なのは、「自分の身体を整えること」だとおっしゃっていました。そこでポイントになるのが、免疫や食事で、オススメは断食と小食だそうです。断食をすると、免疫細胞の中のTreg細胞 というものが生まれます。 Treg細胞は暴走する免疫たちを抑えてくれるそうで、外敵(良くないもの)から身を守ってくれるそうです。
さらに、酸性過多の食事をやめて、健康的な食事を心がけ、身体をきれいにしていくこと、デトックスすることで、身体がどんどん強くなっていき、どんなことが起こっても大丈夫な心と身体になると。今は、免疫を活性化させるチャンスだと話されていました。
また、今は考え方を変えるチャンスでもあるとお話されていました。
「今まで私たちは、利益を得る、成功を得る、得ることが大切だと思い込んでいたと思う。
でもこれは、本来の日本人の考え方ではない。
日本人はギブアンドギブの精神で、お互いに助け合いながら生きてきた。もう一度その精神を思い出し、自分にできることを差し出し、与えていくことがこれから良い世の中を作っていくうえで大切になる。」と教えていただきました。
つづいて館長の佐野浩一からは、地球環境とSDGsについてお話いたしました。白鳥哲監督の映画やお話にもありましたが、地球環境はかなりひっ迫した状況になっています。以前にはなかったような大きな台風が何度も押し寄せてきたり、大雨により河川の氾濫が各地で毎年のようにおきています。舩井幸雄は自然災害というのは人間が不必要なことや必要以上のことをやってしまったときに自然からの警鐘であり、サインだと常々話していました。 今、なんとかしなければ大変なことになる・・・そこで、大切なのは「選択」することで、バランスを取っていくこと、少しでもよくないことを減らしていくことです。それは小さな一歩かもしれず「大河の一滴」であるかもしれませんが、2滴、3滴と増やしていくことでいい方向に向かっていけるのではないかと話していました。
さらに、現在の世の中は「速すぎる」のではと。スマートフォンやパソコンがこれ以上早く動く必要があるのか?これ以上便利になる必要があるのか?と問いかけていました。
一度スピードを落として、地に足をつけて、じっくりと周りを観察し、本当に必要なことを見極めていくことが大切だと話していました。
最後に、映画「蘇生Ⅱ 愛と微生物」のレポートです。
今から9年前、2011年に東日本大震災がおこりました。
震災によりさまざまな被害が起こり、なかでも福島の原子力発電所での被害は深刻なものでした。その混乱のなか助けてくれたのは、私たちの目には見えない微生物(EM・有用微生物群)でした。微生物(EM)により、土地が浄化され、水が綺麗になり、木は生い茂り、生き物や食物は大きく育ち、生態系が豊かになり蘇りました。しかし、そこにはたくさんの人の血のにじむような苦労や努力がありました。
自分たちの生まれ育ったその地を守り、戦ってきたたくさんの熱い想いのこもったそんな物語でした。
改めて東日本大震災という災害の恐ろしさを学び、そんな中でも強くたくましく戦ってきた人たちの強い思いに感動しました。
さまざまな技術が進歩し、便利になっていく世の中ではありますが、自然があるから人間は生かされているわけで、あくまでも自然の一部であることを忘れてはいけないし、自然を敬い、大切にしていこうと思いました。
白鳥哲監督、どうもありがとうございました。
(文責 佐野純平)